赤ちゃんの匂い

Rika Sawayanagi

優等生。2

 

www.sawa-yanagi.com

 

どんどん、ハードルは上がっていく。

 

1できて、ほめられたなら。

次は2やらないと、ほめられない、じゃん。

 

だから、どんどん次のこと、別のこと、

で結果を出そうとしたの。

 

 

勉強ができた、なら。運動も。

バレーが出来たなら、マラソンも。

それができたなら、英語も、絵画も、書道も。

 

とりあえず、なにか評価されそうなことなら、すすんでなんでも1番を、いい成績をとろうとした。

 

 

ほめられたかったんだよね、私。

愛されたかったんだよね、わたし。 

お母さんから、さ。

 

今になってわかったよ、

それがなくてもよかった、なんてね。

 

 

それでさ、

いろんな分野で、1位を取ろうとするんだけどさ

 

新たなジャンルを開拓していっても、

今いちばんのところは、1番じゃないといけなくてさ。

 

1できたら、つぎは2

でも1できるのは、もう当たり前って思われる。

1できなかったら、それはマイナス・後退。

 

て、思ってたから。

 

 

ほんとうは、なかなかにきつかったんだけどね。

ほんとうは、もうやめたかったんだけどね。

 

 

いつまでもいつまでも

なにかから追われているような気がして。

 

“どこかに辿り着いたら”

もうがんばらなくていい、安全なところに行けるんだ。安心できるんだ。て、思って、

 

その着地点をさがしはじめたの。

 

 

そうしたら結局さ、

“人として”いちばんになったら、それはもう、いちばんなんじゃないかって、思ったの。

 

中2くらいかな。

 

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だから私は、性格よくした。

 

「性格いいと思われるほう」を選びとって、行動するようにした。

 

先生からの受け答え、

授業のたいど、友だちとの会話

 

・自分はださない

・否定しない

・いい子の回答をする

 

そんなことしてたらさ、もちろんきらわれないよ。

先生からも友だちからも、保護者からも。

 

いい評価をうけた。

 

 

でも、肝心のわたしは?

 

わたしの中身は、

どんどん空っぽになっていって、しまった。

 

 

優等生の回答。

それは考えれば、だいたい正解パターンがあるから。

それを答えるだけ。

 

なんなんだろう、これ。ロボットじゃん。

自分てなに。自分がないじゃん。

 

 

そんなことを、思いながらさ。

 

 

でも、ほんとうはこうしたい。こう言いたい。もあって

 

でも、きらわれるか、優等生じゃないか、のグレーゾーンにあたることばは、言わないようにしてたし。

 

その中でも、やれ勉強やら、部活やら、生徒会やら。

いろいろに忙しくて、追いつめられててさ。

 

 

性格をつくり、

勉強をやり、つらい部活に耐え、

生徒会で見本となり、行事をすすめ、

みたいな。

 

 

楽しかったよ、それなりに。もちろん、楽しいこともあった。

むかしの私を知る人は、そんなにつらそうだったって、思わないと思う。

 

けどね。

中身のわたしは、どんどん自分との間に、溝が深まっていったの。

 

 

いつわりの自分を作って、“演じて”

ほんとうの自分を殺して、がまんして。

 

 

そんなことをしていると、

自分と自分が、乖離していって。

 

がまんを積むたびに、人に合わせて、ぎゅっと奥歯をくいしばるたびに、

心の中に、黒いものが底の方からたまっていった。

 

うすぐらい感情。

 

それは、うらみつらみ、罪悪感。

優越感。嫉妬。怒り、もやもや。

 

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そりゃ、そうだよね

 

全方位がまんして、自分をいつわって、

 

ま、自分でやってることなんだけどさ。

 

 

なんで私が、こんなことしなきゃなんないの!

 

 

その怒りや恨みの矛先は、親に向いたの。

 

 

あんたたちが

そんなにがまんさせたから

私に、期待したから。

いちばんじゃない時に、次はがんばりな、って言ったから。

 

 

結果が出ないわたしを、認めてくんなかったから。

わたしのがんばりを、認めてくんなかったから。

 

 

びっくりするくらいに、その黒々とした感情は、どんどんたまっていってさ。

 

 

表はめっちゃいい子振る舞ってるのに、

中身はそれに反して、どんどん黒くなっていってね。

 

そんな自分が、めっちゃきらい、だった。

 

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そんな私が、高校に入ってから。

 

 

つづく。。。